バトエン
小3か小4のときにバトエンが流行った。
バトエンとはバトルえんぴつの略称で、転がして出た面に応じてターン制で行動決定するバトルゲームのこと。当時はド○クエとナ○トのバトエンが主流だった。
その運要素の強さから、僕らはバトエンにどハマリした。休み時間になると、そこら中の机でバトルが繰り広げられていた。
勝負に用いたバトエン、もしくは別に賭けたバトエンを勝者が手に入れるという仕組み。バトエンはパッチと違い、それなりに値が張るものだったので、今思えばかなりグレーゾーンな気がする。
もちろんパッチで学習していた僕たちは、担任にはバレないよう、賭けバトエンは影で行われていた。言うなれば闇バトエンといったところか。
闇バトエンは隆盛を極め、パッチブームを凌ぐ勢いだった。
しかし、諸行無常、栄枯盛衰、盛者必衰。闇バトエンもまもなく終焉を迎えることになった。
ある日僕は、バトエンを持っていない友達とバトエンをするため、僕の持っているバトエンを一本あげた。
最初のうちは二人で仲良くバトエンをやっていたが、あるときその友達は闇バトエンに参加してしまった。
彼はバトエン一本で立ち向かったが初戦敗退。なけなしのバトエンを失うことになった。
すると彼は何を思ったか、担任の先生に一部始終を告発してしまった。
即座に闇バトエンは摘発され、バトエンは全面禁止になってしまった。
大量にバトエンを保有していた闇バトエンの創始者も、ただ鉛筆をたくさん持っているだけの人になってしまった。
人生ってのはどう転がるかわからないもんです。