ぼくのバンコク2人旅④
ワット・ポーというところに行った。
バンコクではかなり有名な王宮寺院で、観光地となっており、観光客がごちゃまんといた。
ワット・ポーに行けば必ず観たほうがいいものが一つある。それは涅槃仏だ。全長46m、高さ15mもあり、目の前にすればその大きさに圧倒されるだろう。
もちろん僕らもそれを観るために行ったと言ってもいい。
寺院内はかなり広く、涅槃仏以外にも色々見どころはあった。中でも謎の仏像が印象的だった。一つの大きな部屋のようなところにあり、かなり大きな仏像だった。その部屋は神聖な場所らしく、入るには靴を脱ぎ、帽子やサングラスも外す必要があった。それを守らないと入り口付近にいる謎のタイ人にめちゃくちゃ怒られる。警備員とかではなく、ただのタイ人にだ。前にいた欧米人はめたくそ怒られてた。
涅槃仏を探してぐるぐる寺院内を探索していたのだが、なかなか見つからない。危うくバターになりかけたが、なんとかガイドを頼りに見つけることができた。
涅槃仏は噂通りデカかった。るろ剣の不二くらいデカかった。僕らはさながら才槌。
何がでかいって、足の裏がでかい。仏教の世界観を現した108の図が螺鈿細工によって描かれているらしい。見ればわかるようにとんでもない扁平足であるが、これは悟りを開いた者の印らしい。僕も祖母譲りの扁平足なので親近感を覚えた。
108といえば煩悩。涅槃仏の横には煩悩を消す108つの鉢がおいてある。20バーツを支払うと硬貨がもらえ、その硬貨をすべての鉢に入れることで煩悩を捨てることができるらしい。
一緒に行ってた友達は乗り気じゃなかったので、僕だけ煩悩を消すことにした。チャリンチャリンと硬貨を鉢に入れていく。しかし問題なのが、丁寧に一枚ずつ入れていると、後ろが支えてしまい迷惑をかけてしまうのだ。見た感じ硬貨は108枚以上はありそうだったので、枚数は気にせずどんどん入れていくことにした。そうすると案の定後半になって残りの枚数が怪しくなってきた。節約しつつ入れていくが、後の祭り。最終的に鉢3つを残すところで硬貨が尽きた。
僕は煩悩を3つ残し涅槃仏を後にした。
ワット・ポーと言えばタイ古式マッサージだ。ここはタイマッサージの総本山とも言われている。歩き疲れた足を癒やすため、足マッサージをお願いした。
このマッサージに関しては正直揉み返しが凄かった。そんなに疲れてないのにマッサージを受けた僕が悪いのだけど、とんでもないレスポンスの速さで揉み返しがきた。
あと、指の頭を木の棒でぐりぐりされるやつがめちゃ痛い。なんのツボなのか知らんがめちゃ痛い。痛がる僕を見てマッサージ師がニヤニヤしてた。
足に爆弾を抱えワット・ポーを出た。
ホテルに戻ろうかとぶらぶら周辺を歩いていると、トゥクトゥクの運転手が話しかけてきた。
トゥクトゥクとはタクシーの一種で、運賃が決まっていなく、その場で料金交渉をするシステムだ。
友達が料金を交渉していると、運ちゃんが「そんな料金じゃ無理だ」的なことを言ってきた。そして、トゥクトゥクの小物入れのようなところからなにか紙切れを出してきた。大人のお店のパンフレットだった。安くはできないが、大人のお店は紹介できるとのことだった。
僕の友達は誘惑に負け、結局乗ることになった。煩悩を消しとかないからだ。
車内でも大人のお店や下世話な話ばかりしており、友達はその運ちゃんと連絡先を交換する勢いで仲良くなっていた。流石にそれは危ないから、と僕は止めた。
僕は煩悩を捨てといて良かったと心から思った。
その日は残りの3つが奮い立たないことを祈りながら寝た。