大人になって気づいたこと

齢21。今年で22歳の年になる。

僕みたいな若輩者が大人を名乗っても許されるのかはひとまず置き、大人になって気づいたことがある。

 

小さい頃、学校の歴史の授業で墾田永年私財法を習った。詳しい定義や決まり事はよく覚えてないけど、とにかく己で開墾した土地は永遠に自分の土地になるとか。

こんな太っ腹な法はあっただろうか。

当時の僕は、もし今発令されれば、土地という土地をすべて開墾してやるのに、と考えていた。どんな小さな土地だって、どんな広い土地だって、我がで漏れなく開墾する心づもりだった。広い土地のためなら、必要であればイオンの社長とだって戦い抜く所存だ。

どんな強引な手を使ってでも土地を勝ち取るし、軍事的手段も厭わない。もしそれで裁判沙汰になったとて、後の不動産収入を頼りに、金に糸目をつけずに戦い抜く。

開墾した土地は荘園にし、不輸・不入の権を行使し、税金は取られず、むしろ税金をむしり取ってやるつもりだ。

 

そんな机上の空論を鼻垂らしながら考えてた僕も大人になった。そして気づいた。絶対に開墾なんてしないだろう、と。

普段は家でダラダラしている人間が、たかが土地のためだけにせっせこ開墾するとは思えない。あの頃のバイタリティはどこかへ消えていってしまった。

墾田永年私財法を発令された当時も僕みたいな人が沢山いたのだろう。口だけで行動に移さない愚図が蔓延していたことだろう。

もし今発令されるなら徳政令がいいな。何もしなくても奨学金が吹き飛んでくれる。