飛行機頭痛の治し方

 僕は帰省のため年に数回は飛行機に乗るのですが、そんな僕には飛行機移動を億劫にさせる重大な問題があります。それが飛行機頭痛です。

 飛行機頭痛とは気圧の変化によって副鼻腔の中の空気が膨張・収縮することで痛みが生じます。頭痛と書いてはいますが、僕の場合は頭と言うより鼻の奥、または目の奥が痛みます。

 経験したことがない方はわからないと思いますが、これがものすごく痛いのです。大の大人が涙目になるくらい痛いのです。よく「出産の痛みは鼻からスイカを出すくらい痛い」と言いますが、まさにこの痛みがそうです。飛行機に乗るたびに鼻からスイカを出していると言っても過言ではありません。一番痛いときには、痛すぎて『フォレストガンプ』を観た後くらい泣いてました。一番痛くないときでも『ROOKIES -卒業-』を観た後くらい泣きました。

 これはどげんかせんといかん、と思いインターネットで解決策を探していると、JALのサイトに有益な情報がありました。

旅立つ前に 機内で発生しやすい症状とその対処法(快適な空の旅のために)- JAL

 ここによれば、痛みの原因は鼻づまりによるものであり、飴などをなめることで解消できるとのこと。つまり、飴のようなもので且つ鼻づまりを解消してくれるものであれば最強な訳です。

 そこで導き出した答えが『ミ〇ティア』です。「飴のようなもので且つ鼻づまりを解消してくれるもの」であることはもちろん、なによりその形状がいいです。ピル状になっていることで何かプラシーボ効果が期待できそうです。イップスになったときの茂野吾郎の気持ちです。

 早速最寄りのコンビニにいる売人からミ〇ティアを購入しました。しかしそこでとんでもない文言を目にしたのです。

「1粒5分! 続く清涼感」

 やられました。想定外です。

 東京ー札幌間は飛行機で約2時間かかるのです。すなわち120分です。

 そうです、僕は飛行機に一度乗るたびにミ〇ティアを24粒も摂取しなければならないのです。完全にODです。『SKET DANCE』の武光振蔵でもそんなに食べないでしょう。

 とはいえ背に腹はかえられない。甘んじて受け入れましょう。

 

 飛行機への搭乗当日、ミ〇ティアをポケットに忍ばせなんとか所持がバレずに保安検査場は突破しましたが、ここで問題があります。客室乗務員の方にミ〇ティアの多量摂取をみられてはばつが悪い。

 周りにバレないようにミ〇ティアを摂取するのはなかなかスリリングです。これにはまる人はミ〇ティアの効果と言うよりも、このスリルにはまって抜け出せなくなるのでしょう。

 巷では砕いて鼻から吸引したり、ライターであぶるという方法もあるそうですが、僕はもっぱら経口摂取です。

 

 結局飛行機頭痛になることなく無事に北海道に到着しました。

 しかし、到着後もミ〇ティアを欲している自分がいます。

 セイコーマートにいる売人から追加で入手しますが、耐性が付いたのか少量ではなかなかキマらなくなり、乱用するようになってしまいました。

 これではいけないと、身体からミ〇ティアが抜けるまでミ〇ティアを断つことにしました。

 これを書いている今現在も禁断症状なのか手の震えや寒気が止まりません。

 偽薬効果が逆効果になってしまいました。